妊娠・授乳中の方へ|志木の内科・糖尿病内科はイリス内科・糖尿病クリニック|土曜診療

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妊娠・授乳中の方へ

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妊娠・授乳中の方へ

妊娠、授乳中のお母様は、受診をためらったり、内服を我慢することが多くあります。当院院長は、産科・婦人科の専門病院である成城木下病院の内科に7年間勤務しておりました。そのため、妊婦、授乳婦の内科疾患治療経験を多く有しております。また、院長自身も1児を育てた母であり、妊娠中や出産後の不安を理解しております。残念ながらどのような妊娠でも奇形や流産のリスクはゼロではありませんが、この率を高めない治療をご本人と相談しながら、より安全な投薬を行い、治療をしてまいります。

妊娠・授乳中の方の主な内科的症状と疾患

このような症状と疾患の方はご相談ください

  • 発熱や咳、痰、鼻水、のどの痛みなど
  • 呼吸がゼーゼーする、息苦しい、咳が長く続く
  • 頭痛
  • 腹痛、下痢、便秘
  • 吐き気、嘔吐、胃のムカムカ
  • 花粉症、蕁麻疹、喘息などのアレルギー
  • トイレが近い、排尿時の痛み
  • 湿疹がでる、皮膚が乾燥してかゆい
  • 糖尿病と診断されている、または妊娠糖尿病と言われた
  • 橋本病と診断されている、または妊娠中の検査でTSH高値を指摘された

妊娠・授乳中の内科主な病気

妊娠・授乳中のかぜ

かぜは、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、痰などを主症状とする上気道(鼻やのど)の急性炎症の総称です。
妊娠中、授乳中の方には、うがい薬、西洋の飲み薬、漢方を組み合わせながら、ご本人の辛い症状が楽になるよう治療してまいります。

妊娠・授乳中のインフルエンザ

インフルエンザウイルスによる急性熱性感染症で、A、B、Cの3型があり、通常、寒い季節に流行します。1〜3日間ほどの潜伏期間の後に、38℃以上の突然の高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などが現れ、咳、鼻汁、咽頭痛などの症状がこれらに続き、およそ1週間で軽快します。主な合併症としては肺炎、脳症があります。通常のかぜ症候群とは異なり急激に発症し、全身症状が強いことが特徴です。

日本で使用されているインフルエンザの治療薬には、タミフル、リレンザ、イナビルなどがあります。
タミフルは胎児に悪影響を及ぼさないことが報告されています。リレンザやイナビルも、吸入であるため血中への移行がわずかですので、胎児に重大な影響を及ぼす可能性は少ないとされています。

抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に服用することが推奨されています。重症化を防ぐためにも、発熱や全身倦怠感、関節痛などの症状が出現した際には、あらかじめご連絡いただいた上で早めに検査、治療に進むことをおすすめします。
また、妊娠中、授乳中のインフルエンザ罹患予防には、ワクチン接種が重要です。ぜひご検討ください。

妊娠・授乳中の急性胃腸炎・感染胃腸炎

胃腸炎のほとんどはウイルス感染で、一部に細菌性が見られます。ウイルスが付着した料理を食べたり、手指についたウイルスが口に触れたりすることで感染します。
症状は下痢、腹痛、嘔吐、発熱が多く、細菌性が疑われる場合には抗生物質を使用することもあります。

妊娠中に胃腸炎に罹患した場合、悪阻も重なり症状が悪化することがあります。当院では制吐剤、胃粘膜保護薬、整腸剤など、症状に合わせて処方し経過観察いたします。また、脱水予防には、自宅で出来る経口補水療法(ORT oral rehydration therapy)をおすすめしております。

妊娠糖尿病/糖尿病合併妊娠

妊娠中の血糖異常には、①妊娠糖尿病、②糖尿病合併妊娠、③妊娠中の明らかな糖尿病があります。①妊娠糖尿病は、妊娠中に初めて診断された糖代謝異常のことで、妊娠前から糖尿病と診断されていた場合には、②糖尿病合併妊娠、と言います。妊娠前に診断されていなかったものの妊娠前から糖尿病だった可能性があれば、③妊娠中の明らかな糖尿病、と言います。

妊娠中は、血糖を下げるホルモンであるインスリンの作用が低下するため、血糖が上がりやすくなります。妊娠中に高血糖が持続すると、流産や早産、妊娠高血圧のリスクが高くなり、赤ちゃんの側では過剰発育や新生児低血糖、新生児黄疸などの確率が上がるといわれています。
このため、妊娠中にはインスリンの自己注射を行い、血糖値をしっかりコントロールする必要があります。

当院では、管理栄養士による妊娠中の食事指導、看護師による自己血糖測定指導およびインスリン注射指導、医師による血糖推移の確認とインスリン量の設定・生活全般の指導を行い、チームで高血糖の妊婦さんを支えていきます。

妊娠・授乳中の潜在性甲状腺機能低下症/橋本病合併妊娠

甲状腺はのどの下にある蝶々の形をした臓器で、代謝を調節しています。このホルモンが出なくなる甲状腺機能低下症・橋本病や、一歩手前の状態である潜在性甲状腺機能低下症は、不妊や流産早産、早期胎盤剥離のリスクになるといわれています。

甲状腺ホルモンを調節しているのが、頭の下垂体から出ているTSHというホルモンです。妊娠中の甲状腺管理は、TSHの値を指標に行います。妊娠初期はTSH2.5未満、中期以降は3.0未満を目標に、甲状腺ホルモン薬を内服し甲状腺機能をコントロールしていきます。
また妊娠ご希望の場合にも、TSHが2.5以上であれば、治療を行います。

甲状腺ホルモン薬は、レボチロキシンナトリウム(商品名チラーヂンS)という薬で、妊娠中や授乳中でも安心して服用いただけます。

妊娠・授乳中の気管支喘息

喘息は、咳や痰などの症状、ゼイゼイ、ヒューヒューという喘鳴(ぜいめい)、息苦しさ、呼吸困難を繰り返す呼吸器系の病気です。喘息が起きる原因は多岐にわたり、遺伝的な素因と環境要因が混在して発症します。アレルギー反応を起こす原因としては、ダニやハウスダスト、イヌ、ネコなどの動物のフケや毛など様々です。原因がわからない場合や気候の変化、タバコによる刺激などでも生じることがあります。

胎児は母体から酸素を取り込んでいますので、妊婦さんの喘息コントロールは非常に大切です。
喘息コントロールにおいては、吸入ステロイドが治療のメインとなります。現在使用されている吸入ステロイド薬は安全性が高く、催奇形性は報告されていません。当院では適切な治療を行い、安全な出産を目指していきます。コントロールに難渋する症例は、呼吸器内科専門医にご紹介いたします。

妊娠・授乳中の花粉症(アレルギー性鼻炎・結膜炎)

アレルギー性鼻炎・結膜炎は、スギ花粉などによって引き起こされる季節性アレルギー(花粉症)と、ダニやハウスダストなどによって引き起こされる通年性アレルギーに大別されますが、どちらも混在していることもしばしばあります。

妊娠中には、ホルモン分泌の増加により花粉症が悪化しやすいといわれていますが、実際には人それぞれです。ステロイドの点鼻薬は妊娠中でも安全に使用でき、効果もあります。また、内服をご希望の方には、抗ヒスタミン薬のロラタジン(クラリチン)、レボセチリジン(ザイザル)、フェキソフェナジン(アレグラ)などを、症状に応じて処方することがあります。